春風が心地よい4月。入学、就職や転勤など、新たな環境へと踏み出す季節でもあります。しかし、期待と不安が入り混じるこの時期は、知らず知らずのうちに心身へ大きな負担がかかり、自律神経のバランスが崩れやすくなります。
今回は、新生活のストレスを和らげ、自律神経を整えるツボをご紹介します。
なぜ4月は自律神経が乱れやすいのか?
中医学では、春は「肝」の季節とされ、肝は疏泄(気の流れを調整する働き)を司ると考えられています。
新しい環境に適応するストレスは、肝気の停滞を引き起こしやすく、それが自律神経の乱れ、すなわち「交感神経過剰」や「副交感神経低下」といった状態を招きます。
結果として、不眠・イライラ・胃腸の不調・倦怠感など、さまざまな症状が現れるのです。
新生活のストレスに効く代表的なツボ
1. 太衝(たいしょう)

- 場所:足の甲、親指と人差し指の間を撫で挙げた時に指が止まるところ
- 効果:肝気の巡りを促進し、イライラや情緒不安を鎮める
- 刺激法:親指で5〜10秒間、痛気持ちいい程度に押します。左右とも行いましょう。
2. 内関(ないかん)

- 場所:手首の内側、手首の横じわから指3本分上方の位置
- 効果:ストレスによる胸苦しさや胃腸の不調、不安感を緩和
- 刺激法:反対の親指でゆっくり押し、深呼吸しながら20〜30秒ほど刺激します。
3. 百会(ひゃくえ)

- 場所:頭頂部、両耳を結んだ線と体の正中線が交わるところ
- 効果:自律神経のバランス調整、頭の重だるさや不眠に
- 刺激法:中指で軽く円を描くようにマッサージするのが効果的です。
ワンポイントアドバイス:漢方的ケアも取り入れましょう
新生活のストレスによる「肝気鬱結(かんきうっけつ)」には、以下の漢方薬が推奨されます。
- 逍遙散(しょうようさん):情緒の安定と脾胃のサポートに。
- 加味逍遙散(かみしょうようさん):イライラやホットフラッシュがある方に。
食養生としては、香りのよい食材(例:シソ、ミント、柑橘類)を取り入れると、肝の疏泄を助け、気の巡りを促進します。
おわりに
4月は心が浮き立つ一方で、知らず知らずのうちに身体にも大きな負担がかかる時期です。
今回ご紹介したツボを日常生活に取り入れ、早めのセルフケアを心がけましょう。心と身体のバランスを整えることで、新生活を健やかに乗り越えていきましょう。